転職時の年収増減の希望と理由は?

 

転職を志す理由は細かく見ると人それぞれですが、大きく分けるとこの4つに大別できます。
 人間関係が上手くいかなくて精神的に辛い
 周囲よりも頑張って成果も出しているのに給料が増えない
 家族の都合で今のまま働き続けることができない
 仕事の内容が面白くなく、働き甲斐がない
事前に1000人の転職実践者にアンケートを取った結果から、特に給料の低さに関しては40%以上もの人が転職理由として挙げています。また、同時に転職によって給料が上がったかどうかも確認しています。
今回の記事では、転職によって給料はどうなったか?という点を分類し、その理由を探っていきましょう。

転職による年収の変化

1000人の転職者に向けたアンケートに対して、転職後の給料が転職前に比べて上がったか同じ程度だったか、下がったかという点を確認していきます。
転職前後の年収を比較した場合、アンケート回答者のうち約30%が転職前よりも下がり、25%強が転職前とそれほど変わりませんでした。ここで、変わらないと答えているのは、±10万円の範囲です。
年収が増えたのは45%弱の人しかいないことになりますが、実際にはこの中に専業主婦からの就職というパターンも含まれていますので、実際に転職分だけに限定すると、もう少し割合は低くなります。
また、±10万円程度であれば残業の増減ですぐに相殺されてしまうことを考え、さらに年次昇級などの影響も考えると、50万円程度は上がって欲しいですよね。そこまで限定すると、回答者のたった18%に過ぎません。
転職によって、満足いくほど年収を上げることは、とても難しいといわざるを得ません。

給料が下がってしまった理由は?

転職の結果、給料が転職前に比べて下がってしまった方のアンケート結果を確認すると、興味深いことが分かります。給料が下がってしまっても転職の満足度に関しては悪くない結果が出ており、事前のイメージと異なっていたのですが、転職しようとした理由を確認して納得がいきました。
給料が下がっても満足度が高い人はそもそも転職によって給料アップを狙っている人はほとんどおらず、その多くが人間関係や仕事の内容を変えることが転職の大きな目的でした。仮に年収が下がってしまったとしても、もともと悩んでいた部分が解消されれば、その方が価値があるため、満足度が高くなっています。

年収に不満があったのに転職後に年収が下がってしまうパターンは、恐らく何らかの理由で先に仕事を辞めてしまい、限られた期間など制限がある中で転職先を選ばざるを得なかった状況だと考えられます。
最近では多くの転職サービスで転職後の年収がどれくらいになりそうかの確認や、エージェント付きであれば交渉まで担当してくれるのが普通になっています。そのため、年収アップを目的としていて、転職活動中に追い込まれるような状況がなければわざわざ年収が下がるような転職はしないと考えられます。

転職後にも年収は変わらない

元々正社員などある程度の収入をもらっている状況で、それも比較的給与相場が近い同業種への転職の場合には、年収はそれほど変わらない場合が多いでしょう。この状況が一番転職しやすいといえるため、なかなか上手くいかずに妥協して選んでしまっている人も多そうです。
また、転職をする際には転職前の年収を元に転職後でも最低限同等以上の年収を確保出来るように、事前に会社側が情報を手に入れることができていた場合には、同程度の年収を転職者に提案することも考えられます。
年収以外にも転職の前に不満があり、それが解消されるのであれば年収は妥協してもいいかもしれませんね。このあたりは個人のこだわり方と優先順位のつけ方次第になってきます。

転職するからには年収を上げたい

転職の理由が年収だけではなかったとしても、やはりせっかく環境を変えるのであれば年収アップは目指していきたいです。実際に50万円以上の年収アップを勝ち取った方にはどのような特徴があるのか確認していきます。
まず除外して考える必要があるのは、転職前に学生やフリーター、主婦だった方たちです。元の年収がないか、非常に少ないので正社員採用された場合には大幅な年収増を実現することができます。元々正社員として働いている方の参考にはなりません。

同業種への転職では大幅増は見込めない

今まで経験を積んできた同業種への転職では、スキルや経験に応じた給与水準がある程度決まってしまっているため、年収の大幅増は狙えません。高くても年収100万円上がればかなり成功といえます。
それでも仕事の環境ややりがい、今までの経験の活かしやすさなどを考えれば同業で多少の年収アップという選択も魅力的です。

100万円以上の年収アップを狙うには

転職前から100万円以上の転職アップを実現するためには、慣れ親しんできた同業種から離れ、異業種にチャレンジすることを覚悟する必要があります。また、アンケートの結果によると、転職エージェントを上手く活用していることが確認できます。
転職エージェントは単に転職するところまで上手くサポートしてくれるだけではなく、転職後の年収交渉など待遇面を向上させるような対応もしてくれます。
大幅増を狙う為には、異業種への転職と転職エージェントの活用を考えましょう。

転職時には狙いの年収を元に戦略を立てよう

ここまで見てきたように、実際に転職をした中で転職後に年収が下がった人の多くは年収よりも優先順位の高い理由を優先しただけであることが分かりました。また、転職のしやすさから転職先を選んだ場合には、そのほとんどが年収が変わらないか、残業代の増減に吸収されてしまう程度の向上しか実現できていません。
転職の主な目的にもよりますが、年収の大幅増を狙うためには慣れ親しんだ同業ではなくより高い年収が見込める業界にチャレンジし、さらに転職エージェントの活用によって待遇の交渉をきっちりと進めるのがおすすめです。
転職の目的を実現するのは簡単ではありませんが、目的ごとにきちんと戦略を練って活動をしていけば大きな失敗にはつながらないはずなので、周囲を上手く使いながら年収を上げていけると良いですね。